研究テーマ紹介

■公共空間に関する調査・研究・提案

広く一般に開放されている空間での人々の振るまい方は,どんどん変化しています.以前にジベタリアン(路上で堂々と座り込み,くつろぐ若者)などが注目されましたが,今ではごく日常の風景になっています.昔は忌避されていた,人前で食事や化粧をすることも,今では普通に行われるようなっています.
こうした事の背景には,個人や集団の他者に対する距離感が変質していることや,携帯電話,モバイル型コンピュータなどの普及が公共空間の中で人の居方を変えたことが考えられるでしょう.また,過去の調査では私的な行為は逆に住居内ではなく,公共空間に表出する(プライベートスペースの外在化)という興味深いデータもありました.
公共空間が多様に使われる事は,町を魅力的にして行く上で重要な事ですが,一方で一部特定に寡占される事は公共空間のあり方として良いこことはいえません.多様な行為を受け入れつつ多くの人にとって開かれた環境を如何に提供するか.これにはソフト,ハード両面から検討して行くべき事があるでしょう.