研究テーマ紹介

■都市・建築に関わる情報技術

建築計画の大きな軸の一つは,人と人の関わり,コミュニケーションです.学校建築や住宅地,公共施設に関する研究の多くがその研究の最終的な目標としていることは,その場のコミュニケーションの質の向上です.これは空間の形態やそこでのしつらえ,プログラムといった,いわゆる建築のデザインというものが,そこでのコミュニケーションを決定づける有効な手段だと考えられてきたからでしょう.
翻って昨今の情報技術(IT)は建築空間以上にコミュニケーションの様態を変化させています.今,コミュニケーションに関して最も実効性が高いのはおそらく情報技術でしょう.建築計画がコミュニケーションを対象とする限り,情報技術もデザインにおいて念頭に入れておくべきものであるといえるでしょう.また,情報空間のデザインは本来建築家が積極的に乗り出すべき領域かも知れません.
これが,最近私が情報技術に興味を持っている最大の理由です.自分自身もまだまだ良くわからない領域ですが,実感できる(絵空事でなく現実化している)ことから少しずつ研究を進めて行きたいと考えています.